マックOS X 10.3,パンサーで,ビーOSのファイルフォーマットであるBSF(ビー・ファイル・システム)と似たファイルフォーマットがサポートされるという噂がある。パンサーでは,10.1から10.2への向上以上のパフォーマンスの向上がみられそうだ。
マックOS Xの新しいファイルフォーマットへの移行は,待ち望まれ続けてきたことである。そして,そのファイルフォーマットにもっともふさわしいものこそ,BFSだろう。アップルも当然それについて作業を続けてきて,1年前の報道(The Registerの記事)でBFSを実際に作成したビー社のエンジニアであるドミニック・ジャンパウロ氏を雇用して,今に至る。そしてパンサーでやっとその実は結ぶ,ようだ。
BFSの採用で期待される利点。●全体的な速度向上。もともとパワーPCで動くことを念頭に作られたファイルシステムなので,速度向上は二重丸。ビーOSがそうだったが,起動時間が今より倍ほど速くなるかも。●完全なマルチスレッドによる高速化。マルチプロセッサが一般的になっている今のマックだが,ファイルシステムが完璧に複数の処理を同時にこなせることで,ファインダ処理などで速度アップが見込める。●ファイル属性の無限化。BFSのいちばんの特徴は,ファイルへの属性追加。今のOS Xではファイルをファイル名,更新時刻,サイズ,種類でしかソートできないが,BFSではどんな属性も付け加えられる。MP3のIDタグでファイル検索も可能だし,その属性がすべてデータベース管理されているようなものなので,今のマックOS Xやウインドウズのようにファイル検索に時間がかからず,一瞬ですむ。また,OS Xになってクラシックにあったラベルがなくなったのを嘆いている人がいるが,そんなのが笑えるほどの特徴を取り戻せるだろう。
●ジャーナリングによる安全性向上。HFS+は,いかれやすい。唐突なシャットダウンでファイルにもうアクセスできなくなることは,滅多にあることぢゃないけど,ありうる。だが,BFSのようなジャーナリング・ファイルシステムでは,ほぼその危険はない。また,ディスクユーティリティやノートン・ユーティリティのようなファイルシステムの損傷を直すツールも不要。●未来まで使えるOSのために。1万8000ペタバイトのファイルまで扱える64ビット(HFS+は32ピット)のアドレス空間は,実際そんなサイズのファイルを扱うかどうかは置いておいて,ずっとファイルシステムを変更せずに使い続けられる,という安心が得られる。●2つの利を得る? ビーか,ネクストかという選択を迫られたアップルは,ネクストを選び,そしてマックOS Xがうまれた。そこに,アップルに熱い想いを抱き続けたビーのBFSが根付き,生き続けることは,なにか感慨深くもある。ぃゃ,これは利点ぢゃないな。(参考:OS newsの記事)
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